⽇野市多摩平の⼩児科医院
あんどこどもクリニック
コラム
Column
赤ちゃんの「かゆかゆ」を減らすいちばんの近道は?
クイズの答えは…
① 入浴後なるべく早く、少しべたつく程度に全身へ
でした!
赤ちゃんの肌は乾燥しやすく、バリア機能もゆらぎがち。
肌のバリアを守ることが、アトピー性皮膚炎の発症リスクを減らす基本です。
まずは「徹底して洗う」が大前提
カサカサの上から保湿剤だけ…では不十分。汚れを落としてから保湿が鉄則です。
①なぜ洗う?
汗・汚れ・雑菌・ダニやカビなどのアレルゲンが残ると、肌負担になり湿疹が悪化しやすくなります。
②洗い方のコツ
・石けんなどの洗浄料を手のひらでよく泡立てる
・タオル・スポンジはこすれやすいので使わず、指の腹でやさしく全身を(耳まわり、関節の内側も丁寧に)
・お顔はよだれ・食べかす対策で泡でやさしく→すぐ拭き取り
・泡残りがないようしっかり流す
・拭くときはゴシゴシせず、タオルを押し当てるように
保湿は「早く・たっぷり・全身に」
洗ったままにすると乾燥はどんどん進みます。なるべく早く保湿を。
・タイミング:洗浄後、肌が乾く前に
・量:“少しべたつく”くらいがちょうどいい
・範囲:乾燥部位だけでなく全身へ(局所塗りだけでは予防効果が十分でないことが分かっています)
・塗り方:こすり込まず、薄い膜で均一に乗せるように優しく塗り広げる
・頻度:朝・夜の1日2回が基本
量の目安
・軟膏/クリーム:指先第1関節分
・ローション:1円玉大
どうして“早期の保湿”が大切?
・アトピー性皮膚炎は食物アレルギーの原因となり得るという見解が有力に
・乾燥でバリアが弱ると、ダニや食物などのアレルゲンが皮膚から入る「経皮感作」が起きやすくなります
・新生児期(生後1週間以内)から全身保湿を行うと、アトピー性皮膚炎の発症リスクを3割以上低減した臨床研究があります
・離乳食前〜生後6か月までにバリア機能を保つことは、経皮感作を防ぎ、食物アレルギーのリスク低減にもつながると考えられています
湿疹・炎症が出たら
保湿は乾燥予防とバリア調整のため。かゆみや湿疹そのものは治しません。
・ご相談ください:炎症を鎮める治療をスキンケアに追加します
・黄色ブドウ球菌への配慮:アトピー皮膚では菌が増えがち。ステロイド外用で皮膚状態が整い、菌が住みにくい環境に
・中長期でコツコツ:途中でやめると再発しやすく、長引く原因に。目標を決めて根気強く続けましょう
まとめ
・洗う → すぐ保湿 → 朝夜の継続が、赤ちゃんの肌を守る王道ルーティン
・迷ったら「早く・たっぷり・全身」を合言葉に、やさしく続けていきましょう



